母に話したこと
母に電話しました。
母は、風邪をひいていて、
鼻声でした。
(うわぁ…弱ってる人に、
さらに、塩を塗るのかぁ…
今日は、話すのやめようか…)
と、一瞬、思いました。
でも、話しました。
私「結論から言います。25万円貸してください。4月25日から、最低5万円づつ返します。今までの分を考えると、2年かかると思います。だから、とりあえず、あと最低2年は生きてください」
母「何があったのよ…どうして、そうなったのよ…」
私「薄々、気付いていたかもしれませんが、私には借金があります。
もちろん、今までも返済してきたけど、今、完済に向けて、集中して取り組んでいます。
3月末に返済したいのがあって、60万円作ったんだけど、あと10万円足りません。
その他に、4月25日までの生活費や支払い諸々として、15万円足りません。」
母「男に貢ぐわけでもなく、シマムラしか着てないのに、借金してまで、何に使ってきたの?」
私「心の穴埋め…」
母「なによ、それ」
私「1人で子育てして生きていくことが、不安でさみしくて、受け入れられなくて、お金を使っていた」
母「離婚してる人なんて、山ほどいるじゃない…そんなに弱い人じゃないでしょ…」
私「私…弱いよ。強く見せて生きてきただけだよ。食生活のレベルを下げられなかったの。◯(息子)の笑顔を見たかったの。
それだけが、私の希望だったの。
そうすることで、私は、自分が親としての価値があると思っていたの。」
母「みんな、ある収入の中で、やりくりしてるんだよ。辛抱する時も人生の中では、あるんだよ。5年後、10年後、こういう出費がある。って地道に貯金しているんだよ。
◯が結婚する時、全く貯金がない。ってのも驚いたけど…
子どもの進学、就職、結婚、予定、立てられるでしょ。」
私「その日、その日のことで、精一杯だった。毎日が不安でさみしくて、押し潰されそうだった。
生きていくのが、怖くて怖くて、先のことなんて考えられなかった」
母「しっかりしなさいよ。お母さんでしょ」
私「お母さんだから、◯の笑ってる顔が見たかったの。
みんなと同じシューズ買ってあげたかったし、みんなと同じエナメルバック買ってあげたかったし、チームジャージもお金厳しいからムリって言えなかった。
遠征や地方大会も、寄付も、行けない。出来ない。って言えなかった。
負けては残念会、勝っては祝勝会も、行けない。って言えなかった。
だって…◯が笑ってたから…
みんなと、嬉しそうに楽しそうに、笑ってたから…
その顔が見たくて。
◯が笑ってると、親として許されているような気がして…
そんな、理屈とかじゃないな…
ただ、幸せだったの。
あのこが笑っているだけで、幸せだったの。
自分の心の穴を、
子どもの笑顔で、埋めていたの。
私、間違ってたと思う。
方法は、間違っていた。
だから、この今の現状で。
でも、どうしても、
ここから再生したくて。
なので、助けてください。」
母「今までだって、相当、助けてきたつもりよ。」
私「うん。助けてもらってきた。
△(妹)にも助けてもらった。」
母「△にも借りてるの!?」
私「うん。返済したいのがあって、
去年100万円借りた…」
母「もう!!なにやってるのよ!!
お姉さんでしょう!!情けない…
□の結婚、決まってるのよ!
△だって、母親としてお金かかるのに…
なにやってるのよ!!
どうしてよ…
同じように育てたのに、
どうして、そんなふうになっちゃったのよ…
50も過ぎて…
ほんとに…情けない…
私だって、もう自分の葬式代しかないわよ」
私「ごめんなさい。
そこをなんとか、お願いします。
まだ、死なないで。
全部返すから。」
母「生身の人間だもの、わからないわよ。
あー、なんか心臓のペースメーカー誤作動しそうだわ。
お姉ちゃんから電話きたら、
オレオレ詐欺からの電話みたいだわ」
私「誤作動しないで…
私、お母さんに完済して、お礼に一緒に旅行に行きたいの。
だから、もう少し生きて。
死なないで。」
母「こんな状態で、死んでも死にきれないわ。本当に返せるの?4月から」
私「返す。お母さんに毎月5万円。△に毎月3万円返すって決めたの。
△が、先にお母さんに返しなさい。私は後でいいから。って。
妹からも借りてること、お母さんに言わなくていい。って。
お母さん、心配して眠れなくなるから。って。」
母「△…たいしたもんだわねぇ」
私「うん」
母「うん。じゃないわよ、もう!!
で、いつまでだって?」
私「25日」
母「少し、時間ちょうだい。
気持ちの整理が必要だわ」
私「はい」
というかんじで、
電話は終わりました。